車検と法定点検の違いについて
車検と法定点検の違いはご存じでしょうか?
「え?一緒じゃないの?」
と思われる方もいらっしゃるかと思います。
実は車検と法定点検は違います。車検は正式には「自動車検査登録制度」と言います。
車検証の裏側に記載があります。
(抜粋)
自動車使用者の皆様へ
点検整備は必ず実施しましょう
自動車の検査は、安全・環境の面について国が定める基準に適合しているかどうかを一定期間ごとに確認するものであり、次の検査までの安全性等を保証するものではありません。
自動車の使用者は、安全・環境を守るため、自らの責任で適切に自動車を管理しなければなりません。自動車の事故や故障を未然に防止するためにも、日常点検整備と定期点検整備は必ず実施しましょう。
と表記してあります。車検証の裏側はあまりご覧にならないかと思いますが、実は色々書かれておりますので是非一度ご一読してみて下さい。
あくまでも車検は安全性・公害防止等の保安基準に適合しているかどうかを一定の期間(車種によって違います)で確認するためのものであって、次の検査までの安全性等を保障するものではないのです。
以上のことから、車検に通ったからといって、故障していないわけではありません。また、安心して次の車検まで安全に乗れることを保証するものでもないのです。あくまでも定められた基準に合格しているということなのです。
また、車検はどうしても受けなければならないものなのでしょうか?
道路運送車両法という法律にこう記載があります。
*道路運送車両法
第58条 自動車(国土交通省令で定める軽自動車(以下「検査対象外軽自動車」という)及び小型特殊自動車を除く。以下この章において同じ。)はこの章に定めるところにより、国土交通大臣行う検査を受け、有効な自動車検査証の交付を受けているものでなければ、これを運行の用に供してはならない。
第62条 登録自動車又は車両番号の指定を受けた検査対象軽自動車若しくは二輪の小型自動車の使用者は、自動車検査証の有効期間の満了後も当該自動車を使用しようとするときは、当該自動車を提示して、国土交通大臣の行う継続検査っを受けなければならない。この場合において、当該自動車の使用者は、当該自動車検査証を国土交通大臣に提出しなければならない。
とあり、車検は義務であるとされているのです。
また第108条で罰則が設けられており、「6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する」となっております。
つまり、車検を受けていない状態で公道を走行した場合は、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられてしまうのです。また、これだけではなく更に無車検運行として6点、更に自賠責が切れていた場合は無保険運行として6点引かれてしまいます。合計すると12点なので免停になってしまいます。
ですので「車検が切れてしまったけれど、近くだから運転して修理工場に行く」や、「車検が切れてしまったけれど、明日予約したから今日は乗っても大丈夫」はとても危険ですので絶対に止めましょう。
仮ナンバーを借りて修理工場に持ち込むか、積載車で取りに来てもらいましょう。
法定点検について
法定点検は安全走行を続けるための検査です。法定点検は義務ですが、罰則はありません。しかし法定点検を受けることで大きなトラブルを回避できることもあるので定期的に行うことをおススメ致します。
また、自動車の使用者は日常点検を行うことが義務付けられています。これも道路運送車両法に記載があります。
*道路運送車両法
第47条 自動車の使用者は、自動車の点検をし、及び必要に応じ整備をすることにより、当該自動車を保安基準に適合するように維持しなければならない。
第47条の2 自動車の使用者は、自動車の走行距離、運行時の状態等から判断した適切な時期に、国土交通省令で定める技術上の基準により、灯火装置の点灯、制動装置の作動その他の日常的に点検すべき事項について、目視等により自動車を点検しなければならない。
第48条 自動車の使用者は、次の各号に掲げる期間ごとに、点検の時期及び自動車の種別、用途等に応じ国土交通省令で定める技術上の基準により自動車を点検しなければならない。
*各号の説明は以下
1,事業用自動車及び車両総重量8トン以上の自家用自動車・・・3カ月
2,自家用有償旅客運送の用に供する自家用自動車、許可を受けて業として有償で貸渡す自家用自動車・・・6か月
3,それ以外の自動車・・・1年
以上により一般の自家用自動車は3にあたるので、1年ごとに点検するように規定されています。
また、マイカー(自家用乗用車、軽自動車)の点検項目は1年ごと27項目、2年ごと57項目となっております。(以前は26項目、56項目でしたが1項目増えております)
運転免許を取得する時に、自動車教習所で車に乗る前の点検をしたことを覚えているかと思います。あれが「日常点検」です。ライト回りなど球切れを起こしていないか、ワイパーゴムが切れていないか等を乗車前に確認することで、安心して運転が出来るので是非行って頂きたいです。
ここで自動車点検基準に定められている自家用乗用自動車等の日常点検基準をご案内致します。
別表第2(自家用乗用自動車等の日常点検基準)(第一条関係)
1 ブレーキ |
1 ブレーキ・ペダルの踏みしろが適当で、ブレーキのききが十分であること。 2 ブレーキの液量が適当であること。 3 駐車ブレーキ・レバーの引きしろが適当であること。 |
2 タイヤ |
1 タイヤの空気圧が適当であること。 2 亀裂及び損傷がないこと。 3 異状な摩耗がないこと。 4 溝の深さが十分であること。 |
3 バッテリ | 液量が適当であること。 |
4 原動機 |
1 冷却水の量が適当であること。 2 エンジンオイルの量が適当であること。 3 原動機のかかり具合が不良でなく、かつ、異音がないこと。 4 低速及び加速の状態が適当であること。 |
5 灯火装置及び方向指示器 | 点灯又は点滅具合が不良でなく、かつ、汚れ及び損傷がないこと。 |
6 ウィンド・ウォッシャ及びワイパー |
1 ウィンド・ウォッシャの液量が適当であり、かつ、噴射状態が不良でないこと。 2 ワイパーの払拭状態が不良でないこと。 |
7 運行において異状があ認められた箇所 | 当該箇所に異状がないこと。 |
また車検と12ヶ月点検のステッカーは別です。車検のステッカーは軽自動車は黄色い四角のもの、普通自動車は青い四角のものです。左上に貼ってある丸いステッカーは12ヶ月点検のものなので混同しない様に注意が必要です。
今回は自動車の車検・法定点検・日常点検についてのお話でした。自動車はこまめな点検・整備でその寿命が大きく変わります。当社のお客様では50万キロ以上乗られている方もいらっしゃります。
定期的にオイル交換、ブレーキ交換、タイヤ交換などをして是非愛車の寿命を長くして頂きたいです。
勿論ワークスヤグチでの車検は安心の24ヶ月点検整備付きです。交換のおススメも丁寧にご説明致しますのでお気軽にお声掛け下さいませ。
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